サッカーの試合のログを取って分析する無料アプリ:myRoupeiro – soccer analyzerを作ったの巻

はじめに

趣味でサッカーチームに関わる中で、試合の分析をして日々の練習や次の試合に活かしたいと思い、ビデオで記録した試合をよく観るんですけど、やっぱりプレーをまとめてスタッツデータみたいな形にして、できればチーム内で共有とかしたいわな、と。

で、そのようなことができそうなアプリケーションやサービスが世の中にいろいろあるみたいなので「どうしようかな〜」と考えるんですけど、だいたい有料ですよね、そりゃ。

それで、チームの財務状況、というか私の場合そもそもの動機が個人の趣味だし、使用頻度などを考えたときに決して安くはない月額利用料を払って使いますか、というと、「うーん、でもな〜」な感じ。

というわけで、お金を払わず時間を捻出して自分でやろうってことで、撮影した動画を観ながらExcelなどを使って、1プレーずつキーボードをカタカタ叩いたりしながら記録して、それをまとめて表にしたりグラフにしたりして見える化して、、、えっちらおっちらやってみたりしていたわけです。

んが、やっぱりすごーく大変なので、そこら辺をもうちょっと楽にできるように、できるだけポチポチするだけでプレーの記録と分析ができるプログラムを自作しました。

で、せっかく作ったので、もうちょい頑張ってGoogle Play storeで無料のアプリ「myRoupeiro – サッカーの試合記録と分析」として公開してみました。

もし興味ある方がいらっしゃったらご自由に使ってみてごらんなね。という紹介です。

myRoupeiro – サッカーの試合記録と分析

↓Amazonにも公開してみました。Amazon appstoreから入手可能です。なのでWindows11のPCでも使えるはず。(2023.5.10追記:myRoupeiroの対応デバイスからWindows11 PCが外れていて使えないことが判明してしまいました。現在Windows11 PCでも使用できるように対応中です。Amazon appstoreでmyRoupeiroを探してくださった方々、ごめんなさい。)
2023.5.22追記:Windows11のデバイスからも入手可能になりました。


myRoupeiro – サッカーの試合記録と分析 – for amazon

ちなみに、roupeiro(ポルトガル語、「ホペイロ」と読みます)は、サッカーチームの用具係という意味です。大事な裏方のことです。

myRoupeiroでできること

試合中に起こったイベントを可視化

・どこからゴールしたのか、シュートしたのか、パスをどう繋げているのかなどを視覚的に確認することができます。

●可視化できるイベント

  • シュート
  • ゴール
  • コーナーキック
  • フリーキック
  • デュエルやチャレンジングなプレー
  • ボールリカバリー
  • ターンオーバー
  • シュートアシスト
  • ゴールアシスト
  • パス
  • パスの出し手
  • パスの受け手

イベントを時系列で追跡したり、チームのデータを可視化

・イベントがどこで起こったかを時系列で眺めたり

・チームの全てのイベントをTreemapの形で視覚的に整理したり

・パスマトリックスでどの選手とどの選手が良く繋がっているかを確認したり

・試合スタッツを表で確認したり

できます。

選手個人のデータを確認

・どのイベントにどのくらい関与したかをTreemapで

・パスの方向と距離、成功率はどうだったかをパスソナーみたいな感じで

・ピッチのどこでどれくらいの頻度で試合のイベントに関わったかをヒートマップやイベントマップで

選手ごとに確認できます

データ入力は簡単タップで

基本的にぽちぽちしてデータ入力をしていきます。

もう少し説明

「myRoupeiro」はサッカーの試合の映像分析をサポートする無料のAndroidアプリです

  • 試合のビデオを観ながら、誰がいつどこでどのようにボールに関与したのかをポチポチと記録して、データ分析結果を可視化するツールです
  • 試合におけるシュートやパスなど、さまざまなイベントデータを記録し可視化することができます
  • 可視化した分析結果は対話的に確認することができます
  • 分析結果はhtmlファイルに保存されるので、他のデバイスで確認したり、チームで共有したりできます
  • 入力したデータはcsvファイルとxmlファイルに保存されるので、別途自分で好きなように加工して使うこともできます
  • データは詳細に記録することも、気になるものだけざっくり記録することもできます(うちの子だけ、とか、パスだけ、など)
  • ハーフサイズのコートにも対応しているので少年サッカーの分析にも使えます
  • 完全無料です

注意事項

  • ビデオプレーヤーは付いていません
  • あくまでビデオカメラで追って撮影できた範囲で、ボールの近くでプレーした選手に注目して記録と分析をするためのアプリです。
  • ですので、ボールそのものの動きや、選手たちのオフザボールでの動きや試合を通してのトラッキングデータを分析したい、といった用途には対応していません
  • 日本語入力・表示(試合情報とチーム情報)にも対応しています。
  • タブレット等、画面サイズが大きいデバイスのご利用をお勧めします

使いかた

長くなるので使いかたは別の記事にしてあります。

myRoupeiro 〜 サッカーの試合のログを取ってデータ分析するアプリ 〜 の使いかた

補足

はい、というわけで。

データをとって可視化や数値化することは、これまで薄々感じていた試合中の数々のプレー傾向について、裏付けすることに役立つはず。

例えばどの選手がどんな位置でどれくらいボールに絡んでいるかとか、パスがあまり通ってないなぁとか、この辺のエリアでのプレーが少ないなぁ、とか。

客観的に試合を分析することで、意図したプレーの成功率を上げる、または失敗のプレーを減らすための合理的なフィードバックのヒントを得ることにつながれば。

まあ、こういう分析をするとダメ出しばかりしたくなりがちですが、あくまで前向きなフィードバックのためにデータを使いたいところ。

数字を気にするあまり、選手たちが数字を稼ぐためだけの消極的なプレーや無謀なプレーをしちゃわないようにしないといけません。例えば意味のないパスを増やして、パス成功率高いでしょ、ボールポゼッション率高いでしょ、ってなっちゃったり、雑なシュートでシュート数を増やしたりとか。そういうことにならないようにしたいところですな。

myRoupeiroは、自分達のチームのプレーを記録し、整理して可視化することを目的として作りましたが、相手のチームのプレーも同様に分析することができます。

そうは言っても両チームとも記録しようとするとその分の労力が必要になりますので、相手チームのプレーは、セットプレーとか、キーとなるプレーだけに限定して、自チームとの簡単なスタッツを比較するのに使っていますワタシの場合。

おわりに

myRoupeiroが使えるようになったことで、サッカーの試合分析作業が完全手動で分析するより少し楽になりました。無料なのでお気楽です。

まだまだ使いにくいところもあると思いますが、地道にブラッシュアップしていければ。

なお、myRoupeiroは、プログラミング言語であるPythonで、KivyというGUIライブラリを使って作りました。形にするために、あれやこれやの試行錯誤もしましたので、プログラミングの勉強中の身としては良い勉強にもなりました。作成過程で気づいたところなどを記録するついでにブログのネタにしてしまおうとも思っています。

myRoupeiroが、うっかりどなたかの役に立てればうれしいです。

おしまい。