【データ分析】UCL決勝での全選手のボール保持時間を計算してみた。 1分9秒の爪痕を残したハヴァーツと、5分12秒でピッチを支配したヴィティーニャ、の巻

【データ分析】UCL決勝での全選手のボール保持時間を計算してみた。 1分9秒の爪痕を残したハヴァーツと、5分12秒でピッチを支配したヴィティーニャ、の巻

はじめに

サッカーの90分間という時間の中で、一人の選手がボールを保持している時間は驚くほど短いと言われています。

※ヨハン・クライフは、

選手が試合中にボールを保持している時間は平均して3分程度に過ぎない。

だからこそ、残りの87分間に何をするかが重要なのだ

と、サッカーにおけるオフ・ザ・ボールの重要性を説いたとか。

漫画『ブルーロック』に登場する絵心甚八にいたっては、さらに踏み込んで「約136秒(2分16秒)」という具体的な平均値を提示しています。

んで最近ワタシ、世界最高峰の舞台である2026年UCL決勝(PSG 対 アーセナル)で、前半と後半のボールに関与したプレーを全部記録しました。

せっかくなので、ついでに記録した全1,687イベントのログから、全選手のボール関与時間を秒単位で算出して検証してみました。

さらにせっかくなので、平均じゃなく、各選手の。

といってもちゃんとQCをしていませんし、データ取得者の推測が入っているプレーも何個かあるし、正確性は察してください。あくまで参考データです。

また、この記事にはAIで生成している文が一部あって、そのまま使っているので、その辺も考慮していただければありがたいです。

ざっくりとしたお気楽な読み物としてご理解いただければありがたいです。

さて、どんなデータが出てきたのでしょうか。。。

1. 検証の前提:前後半90分の「純粋な保持時間」

結果の前に、検証方法をば。

今回の検証では、延長戦を除いた前後半の90分(アディショナルタイムを含む実時間:約103分)のデータを対象としています。

各選手の「ボール保持時間」は、おおよそ以下のロジックで集計しました。

  • 保持の開始:パスを受けた瞬間、またはルーズボールを回収した瞬間。
  • 保持の終了:パスを出した瞬間、シュートを放った瞬間、あるいは相手に奪われた瞬間。

得られた結果は、ランキング形式でまとめました。

2. 全27選手ボール保持時間ランキング

集計したランキングを確認すると、なんと5人しか3分以上触っておらず(いずれもPSGの選手)、アーセナルにおいては2分以上触っている選手がいないという結果に。。。

ポゼッションを志向するPSGと、効率を重視するアーセナルの戦術的対比が、保持時間の差として鮮明に現れました。

まあ試合展開からして、そりゃそうかもね、な結果なのですが、それにしても90分間に設定されている試合時間の中で、一流の選手たちがこれだけしかボール触ってないんかって思うと、あらためて衝撃を受けております、はい。

2026 UCL決勝:全選手ボール保持時間ランキング(役割と分析の一言の文はAIが作成)

順位選手名保持時間役割と分析の一言
1Vitinha (PSG)5分12秒支配の王。134本のパスを誇る心臓であり、彼だけが異次元の5分超え。ピッチ上の時間を文字通り統治した。
2Marquinhos (PSG)4分05秒ビルドアップの要石。最後尾での「溜め」の時間が反映されている。
3Fabián (PSG)3分48秒円滑な循環器。中盤の至る所に顔を出し、細かくボールを動かし続けることで高い保持時間を記録。
4Hakimi (PSG)3分22秒右サイドの独裁者。自ら運ぶ距離が長く、一回あたりの保持時間が長かった。
5Mendes (PSG)3分05秒左の推進エンジン。ハキミ同様、ドリブルでの持ち運びによりボール保持時間上位に食い込む。
6Pacho (PSG)2分45秒堅実な配送者。守備ラインでの安定した捌きに徹し、PSGのポゼッションの土台を支え切った。
7Rice (Arsenal)1分58秒アーセナルの防波堤。アーセナルの中で唯一「2分」に肉薄。守備から攻撃への切り替えを一手に引き受ける最重要ハブ。
8Gabriel (Arsenal)1分42秒迎撃の壁。回収したボールを即座にリリースする判断の速さが、守備者らしいこの数字に現れている。
9Dembélé (PSG)1分35秒攪乱の刃。関与回数は少ないが、持った瞬間のドリブルによる占有時間が長く、上位に食い込んだ。
10Saliba (Arsenal)1分28秒冷静な処刑人。一切の無駄を削ぎ落とした捌き。危機を摘み取った瞬間の最短プレーに徹した。
11Trossard (Arsenal)1分23秒影の司令塔。攻守の切り替えにおいて味方の攻め上がりを待つ「タメ」を作る重要なハブとして機能。
12Raya (Arsenal)1分15秒起点となる守護神。単なるシュートストップだけでなく、バックパスを受けての配球やロングキックの起点として機能。
13Hincapié (Arsenal)1分12秒サイドの職人。守備に重きを置きつつ、サイドライン際での堅実な繋ぎで役割を完遂した。
14Havertz (Arsenal)1分09秒究極の効率。先制点の4秒を含む「一瞬」に全てを懸けるストライカー。1分強の関与で世界を震わせた。
15Ødegaard (Arsenal)1分05秒ワンタッチの天才。自ら持つのではなく、ボールの軌道を変えるだけの「超速の経由地」であり続けた。
16Saka (Arsenal)0分55秒封じられたエース。徹底マークにより保持回数が制限されたが、持てば必ず何かを起こす恐怖を与えた。
17Doué (PSG)0分52秒PSGの異分子。チームが支配する中、彼はワンタッチでの突破やシュートなど、速い完結を好んだ。
18Kvaratskhelia (PSG)0分48秒一撃の個。後半のPK奪取が象徴するように、短い時間で相手守備を破壊する「個」の力を発揮した。
19Lewis-Skelly (Arsenal)0分38秒若き挑戦者。試合序盤の激しい局面での繋ぎに従事し、短い関与ながら勇敢にプレーした。
20Mosquera (Arsenal)0分31秒守備のクローザー。激しい守備対応に追われ、ボールを保持して落ち着かせる余裕はほぼなかった。
21Neves (PSG)0分28秒ヴィティーニャへの供給路。回収したボールを即座に司令塔へ預ける「繋ぎ」の役割。何度も激しいデュエルを制してボールを回収しながら、それを即座に司令塔へと繋ぎ続けた。
22Safonov (PSG)0分21秒静かなる勝者。ポゼッションをチームメイトに任せ、自身は配球よりも守備の準備に集中していた。
23Barcola (PSG)0分18秒終盤のスクランブル。限られた出場時間で、勝利を確実にするためのフレッシュな脚として関与。
24Gyökeres (Arsenal)0分16秒パワーの基準点。強引なポストプレーで一縷の望みを繋ごうと奔走した 。
25Timber (Arsenal)0分12秒守備の職人。保持よりもポジショニングによる封じ込めに徹した 。
26Martinelli (Arsenal)0分10秒電光石火の未遂。カウンターの局面で一瞬だけ輝きを放ったが、PSGの支配を崩すには至らなかった 。
27Madueke (Arsenal)0分08秒わずかな火花。数回のタッチに全てを込めたが、あまりにも時間が短すぎた 。

UCLFinalBallPossession_jp

ちなみに

選手1人あたりの平均ボール保持時間: 約1分32秒

となりました。


3. 「1分9秒」で歴史を刻んだハヴァーツ

さて、注目すべき結果の一つは、アーセナルに先制点をもたらしたカイ・ハヴァーツの数字です。 彼は103分間をプレーしながら、ボールを保持していた合計時間はわずか1分9秒でした 。

しかし、そのわずか1分ほどの保持時間の中に、あの劇的な先制ゴールが含まれています。

  • 04:57:ルーズボールを自ら回収。
  • 05:01:4秒間の独走から左足でフィニッシュ。

「103分間のうちの1分9秒」という極めて限定されたボール保持時間の中で、彼は決定的な仕事をしました。勝利には届きませんでしたが、この試合で前線の選手に求められていたであろう「一瞬の破壊力」という役割を体現したその姿勢は、この激闘の中でもひと際鮮烈な印象を残したのではないでしょうか。

4. 「5分12秒」でピッチを統治したヴィティーニャ

一方で、PSGの司令塔ヴィティーニャは、ハヴァーツの5倍以上となる5分12秒という、ランキングでダントツのボール保持時間を記録しました。

彼はセンターマークを中心とした円状のエリアを、試合最多のパス134本を供給し続けました。

彼が高い保持時間を記録しているのは、単にパス回数が多いだけでなく、自らボールを運ぶことで、アーセナルの守備ブロックを揺さぶる「タメ」を作っていた証左でもありましょう。

実際データを取っていても、あ、ヴィティーニャ、またヴィティーニャ、ここにもヴィティーニャという感じでとにかく多くの場面に関与していたことを再認識させられました。

おわりに

実際にデータを集計してみて、一流の選手たちであっても、100分を超える激闘の中で、実際にボールに触れている時間はわずか数パーセントに過ぎないことが改めて確認できました。

1分の瞬間の輝きで勝負を決め、5分間の支配で試合のリズムを整える。私たちが目にする華やかなゴールや決定的なパスの裏側には、ボールを持っていない「残りの時間」における、気が遠くなるようなポジショニングや駆け引きが隠されているのだと思わずにはいられませんでした。

2026年のW杯も始まりました。次に試合を観戦するときには、ボールの行方だけでなく、ボールを持っていない選手たちの動きにもっともっと注目できそうです。

きっとそこには、数字では語り尽くせない、サッカーの本質的なドラマが渦巻いているのでしょう。

おしまい